モルタル外壁の補修方法
今回は、昔から人気な【モルタル外壁の補修方法】についてご紹介したいと思います。
愛媛県 松山市・東温市
外壁塗装・屋根塗装専門店ワンクラフト
本日の担当は八木あづさです。
目次
モルタル外壁
モルタル外壁は、セメント、砂、水を混ぜ合わせて作るモルタルを、建物の外壁下地に塗り重ねて仕上げる伝統的な外壁工法です。
サイディングが登場する以前は、日本の住宅で広く採用されていました。
モルタル外壁は、経年劣化や衝撃などによってひび割れや浮き、剥がれなどが発生することがあります。
適切な方法で補修することで、外壁の美観を保ち、建物の耐久性を高めることができます。
左官職人の手によって仕上げられる風合いとデザイン性の高さから、現在でも根強い人気を誇っています。
コテや刷毛を使って様々な模様をつけたり、リシン吹き付け、スタッコ、吹き付けタイルなど、多彩な仕上げ方法があります。
モルタル外壁の特徴
デザインの多様性: 職人の技術とアイデア次第で、表面に様々な表情を作り出すことができます。和風、洋風、モダンなど、どんな住宅デザインにも合わせやすいのが特徴です。
防火性: 不燃材料であるセメントが主成分であるため、高い防火性を持っています。火災発生時の延焼リスクを抑えることができます。
通気性: 完全に密閉されているわけではないため、ある程度の通気性があります。これが壁内部の湿気を適度に排出する役割も果たします。
継ぎ目がない: サイディングボードのようにパネルを組み合わせるわけではないため、外壁全体に継ぎ目がありません。これにより、見た目の美しさが保たれるだけでなく、継ぎ目からの雨水の侵入リスクも低減されます。
モルタル外壁のデメリット
モルタル外壁には多くのメリットがありますが、その一方デメリットも存在します。
ひび割れ(クラック)が発生しやすい: 乾燥収縮や建物の揺れ、地盤の変化などにより、表面にひび割れ(クラック)が生じやすい性質があります。特に細いヘアークラックは避けられない場合が多いです。また、窓廻りやサッシの部分からのひび割れも見受けられやすいです。
防水性が低い: 塗装で防水性を確保しているため、塗膜が劣化すると雨水を吸収しやすくなります。吸水したモルタルは、冬季に凍結・融解を繰り返すことで劣化が加速する「凍害」のリスクも高まります。
コケやカビが発生しやすい: 表面が多孔質であるため、湿気が溜まりやすく、日当たりの悪い場所などではコケやカビ、藻が発生しやすい傾向があります。
工期が長い: 職人の手作業によるため、サイディングに比べて工期が長くなる傾向があります。
モルタル外壁によく見られる劣化現象
ヘアークラック(細いひび割れ): 髪の毛のような細いひび割れ。初期の劣化サインですが、放置するとひび割れが広がり雨水が浸入し、内部の劣化を招く可能性があります。
構造クラック(大きなひび割れ): 幅0.3mm以上、深さ5mm以上のひび割れ。建物の構造に影響を及ぼす可能性があり、早急な補修が必要です。
チョーキング現象(白亜化現象): 外壁を触ると白い粉が付着する現象。塗料が紫外線や雨によって劣化し、顔料が粉状になったものです。塗膜の防水性が低下しているサインです。
塗膜の剥がれ・膨れ: 塗装が外壁から浮いたり剥がれたりしている状態。下地との密着不良や水の浸入が原因です。
コケ・カビ・藻の発生: 緑色や黒色のコケやカビ、藻が外壁に付着している状態。見た目を損なうだけでなく、塗膜の劣化を促進させます。
雨水の吸い込み(吸水): 雨が降った際に外壁の色が濃くなり、乾くのに時間がかかる場合。塗膜の防水性が失われ、モルタル自体が水を吸い込んでいる状態です。
モルタル外壁にこのような劣化現象が見られたら、メンテナンスの時期が近づいている証拠です。
モルタル外壁の効果的な補修方法
モルタル外壁の補修方法は、劣化の状況によって異なります。
1. ひび割れ(クラック)補修
ヘアークラック(軽微なひび割れ)
変性シリコンやエポキシ樹脂などのシーリング材を充填して補修します。その後、周囲の色に合わせて塗装を行います。
構造クラック(大きなひび割れ)
専用の樹脂やセメント系補修材を注入・充填し、ひび割れの内部までしっかり補修します。状況によっては、建物の構造自体の点検も必要になります。
2. 再塗装(塗り替え)
チョーキング現象や塗膜の劣化が見られる場合の一般的な補修工程方法です。
高圧洗浄: 外壁表面の長年の汚れ、コケ、カビ、チョーキングの粉などを徹底的に洗い落とします。この下地処理が、塗料の密着性を高める上で非常に重要です。
下地補修: ひび割れ補修や浮いた部分の補修を行います。
下塗り(シーラー・プライマー): 下地と上塗り塗料の密着性を高めるための工程です。モルタルの吸い込みを抑え、ムラなく上塗りができるようにします。
中塗り・上塗り: 塗料の種類にもよりますが、通常2回塗りを行います。これにより、塗膜に十分な厚みと性能を持たせ、美しい仕上がりと耐久性を実現します。
3. 部分補修
軽微な剥がれや浮きの場合は、その部分を削り取り、モルタルで埋め戻して周囲と馴染ませる部分補修が可能です。ただし、広範囲にわたる劣化の場合は、全体的な再塗装やリシンガンなどでの吹付けが必要になります。
補修のタイミングと業者選びの重要性
モルタル外壁の補修は、一般的に10年〜15年が目安とされています。
しかし、前述の劣化サインが見られたら、年数に関わらず早めに専門業者に相談することが重要です。
業者選びにおいては、モルタル外壁の施工実績が豊富で、その特性を熟知しているかがポイントになります。
単に塗装するだけでなく、下地補修や適切な塗料選定の提案ができる業者を選ぶことが、長期的な安心につながります。
複数の業者から見積もりを取り、それぞれの提案内容や保証、アフターサービスを比較検討するようにしましょう。
まとめ
モルタル外壁は、その豊かな表現力と防火性が大きな魅力ですが、ひび割れのしやすさや防水性を塗装に依存する点などのデメリットも理解しておく必要があります。
長く美観を保ち、建物を保護するためには、定期的な点検と適切なメンテナンス(特に塗装の塗り替え)が非常に重要になります。
気になることは、お気軽にご相談くださいませ♪
【住所】本社(ショールーム): 愛媛県松山市平井町2862-1
東温店:愛媛県東温市下林214-4
西条店:愛媛県西条市飯岡2028-6
【営業時間】10:00~18:00(月曜、第1・3火曜定休)